江戸時代の安政の南海地震で発生した津波から村人を救った濱口梧陵の出身地として知られる広川町の稲むらの火の館できのう(11/17)とおととい(11/16)の2日間、地元の小学生が「こども梧陵ガイド」を務め、来館者に地元の偉人をアピールしました。
これは、広川町立広小学校の6年生が、総合的な学習の時間に、関西大学社会安全学部と龍谷大学政策学部の学生から指導を受けて濱口梧陵に関するクイズを作り、稲むらの火の館の来館者に出題するもので、2016年から行われています。
今年は、きのうとおとといの2日間、広小学校の6年生およそ20人が、来館者に、濱口梧陵の偉業や津波の恐ろしさを伝えるクイズを出題しました。
クイズの中で、津波の恐ろしさを歌で披露して拍手喝さいを浴びたり、津浪祭が100回以上、続いていることを知った来館者が声をあげて驚いたりしていました。
子どもたちのクイズを聞いた来館者は、「地元に住んでいますが、知ってるつもりのことが違っていたりしてびっくりしました。子どもの方が地震や津浪に詳しく、いざ地震が来たら迅速に動けると思います。大人もちゃんとしないとだめですね」と話し、淡路市から来た男性は、「良い取り組みだと思います。住んでる場所でも津波が想定されているので、クイズを聞いて、避難するとしたら、どこがいいか、仲間と話していたところです」と話しました。
クイズを出題した広小学校6年の児童は、「梧陵さんや津波のことを知ってもらえるようわかりやく大きな声で伝えました」「知らない人と会話する体験ができてよかった。お客さんが喜んでくれたのでよかったです」「梧陵さんのことを知ってる人には、もっと深く知ってもらい、知らない人には、知ってもらうことができたと思います」「ちゃんと話せてよかったです。未来の梧陵さんとして頑張りたい」と話していました。
関西大学社会安全学部の近藤誠司(こんどう・せいじ)准教授は、「子ども達は、これまで学んできたことを立派に表現してくれました。知らない人に自分たちの学びを伝える経験を経てさらに学びを深めることができたと思います。この知識と経験が子ども達の中に残り、進学したあとも興味が膨らむことを期待したい」と話しました。
また、龍谷大学政策学部の石原凌河(いしはら・りょうが)准教授は、「4年目となったこの取り組みを文化として根付かせることが大切で、これから5年、10年かけて進化しながら浸透させていきたい」と話しました。
この取り組みは、濱口梧陵生誕200年となる来年も行われる予定です。