田辺市本宮町(ほんぐうちょう)出身の故・香川綾(かがわ・あや)さんが創立した東京の女子栄養大学と和歌山県が、県民の健康増進や産業の振興などで協力することになり、きょう(7日)県庁で包括連携協定を結びました。
女子栄養大学は、東京帝国大学医学部の島薗(しまぞの)内科学教室で栄養学を研究した香川綾さんが1933年に創立した学校で、管理栄養士の育成をはじめ、食品メーカーや医療機関、福祉施設などの研究者らを多く輩出していて、現在は、東京都の駒込(こまごめ)や埼玉県坂戸市(さかどし)にキャンパスを展開しています。
また香川綾さんは、料理の材料を数量化して調理法を分かりやすい文章で示したり、調味料を誰でも簡単にはかれる計量カップと計量スプーンを初めて作ったりしたほか、食品を栄養的な特徴で4点に分類してバランスの良い食事法を示す「四群点数法」を開発するなど、日本の栄養学の基礎を築きました。
きょう午前11時、香川綾さんの孫で女子栄養大学の香川明夫(かがわ・あきお)学長ら関係者が県庁の知事室を訪れ、仁坂知事と協定書にサインしました。
このあと仁坂知事と香川学長は、県庁本館2階の県民ロビーに移動し、協定締結を記念してきょうから始まった香川綾さんの軌跡をたどるパネル展示を見学しました。
仁坂知事は「香川綾さんの偉大さを認識しながら、健康づくりや人間教育に力を入れたい」と述べました。香川学長は「これを機に、健康で楽しい人生を送るためのサポートをしたい」と抱負を語りました。
県では、県内産食材の機能性をPRする「おいしい!健康わかやま」事業を行っていて取組みを強化するほか、食を通じたスポーツや健康維持、人材交流の促進、栄養士の採用に関する情報提供、学食での県内食材メニューの提供などを行うことにしています。