世界遺産の熊野古道があり、外国人観光客が急増した田辺市本宮町の中小店舗で、現金を使わずに決済できるキャッシュレス化が進んでいます。
本宮地区のおよそ80の中小店舗のうちクレジットカードや電子マネーの決済機器があるのはおよそ10店でしたが、商工会の後押しで50店以上が加わりました。操作に戸惑う声もありますが、スムーズに実用化が進めば、およそ8割の店で現金が不要になります。
主導する本宮町商工会の竹辺(たけべ)裕哉(ゆうや)さんは、「欧米系の人はカードの利用率が高いが、未対応お店が多かった。機器の扱いに不安がある人を支援したい」と意気込んでいます。
およそ50年続く喫茶店を経営する小淵(こぶち)聖子(せいこ)さんは、「カード払いを希望する外国人客は多いが、キャッシュオンリーと断ってきたので、良い機会になった」と話していました。
本宮町地区には、2004年に世界遺産に登録された熊野古道や熊野本宮大社があり、外国人の宿泊者数は、2004年の492人から2018年には2万4957人と50倍以上に増え、カード利用者への対応が課題になっていました。
本宮町商工会の竹辺さんは、「キャッシュレス化で地域の人の生活も向上できれば」と話していました。