和歌山市雑賀崎(さいかざき)地区の海沿いの斜面に家が密集する町並みが、イタリア南部の世界遺産「アマルフィ海岸」に似ているとして、和歌山市がPRに力を入れています。
和歌山市南西部にある雑賀崎地区は、万葉集で詠まれた景勝地「和歌の浦」の近くで、一時は観光地として人気を集めましたが、今は廃業したホテルや空き家が目立ち、また、飲食店や土産物店など、観光客が立ち寄れる場所が少ないことも課題となっています。
和歌山市では、アマルフィ海岸に似ていると話題になり始めた数年前から、地区を盛り上げるチャンスと捉え、本家アマルフィの自治体に交流を打診、今年2月には、イタリア側の関係者を招いて、観光振興で意見交換するなどのイベントを実現させました。今は、来年(2020年)3月のオープンを目指し、市民から寄付された家を民間事業者に委託して、レストランなどの観光施設に改装中で、ここには、アマルフィ海岸を紹介する展示場所も設ける計画だということです。
和歌山市の尾花正啓(おばな・まさひろ)市長は「アマルフィが雑賀崎に似ていると言われるようになればいいなと思う」と“本家超え”に意欲を示し、和歌山市の担当者は「各地に似た風景はあるが『日本のアマルフィ』は言ったもん勝ち。楽しめる仕掛けをつくりたい」と話しています。