和歌山市役所北側の市営駐車場建設に伴い、今年5月から行われてきた、和歌山城三の丸跡地の発掘調査で、このほど(9/14)、現地の様子が公開され、訪れた市民が、江戸時代に建てられた評定所跡の遺構に見入っていました。
公開されたのは、和歌山市役所北側の2階建ての立体駐車場があった場所で、1655年に開かれ、紀州藩の政治や財政などを取り仕切っていた評定所があったとされています。
現地では、参加したおよそ180人の市民が、和歌山市の埋蔵文化財センターの職員から発掘された遺構の説明を受けたり、発掘している様子を見学したりしました。
敷地内の中央部には、東西3・1メートル、南北5・5メートル、深さ1・5メートルの大きな石組の遺構や、その周りには、井戸や、水琴窟のような甕を施した跡があるほか、現地には、発掘作業で見つかった「二分口(にぶぐち)」という評定所内の部署名が書かれた土器や、評定所内で働いていたとみられる役人の名前を記した土器などおよそ40点が展示され、見学に訪れた市民が、覗き込んだり、写真を撮ったりしていました。
発掘作業は、3段階のうちの第2段階で、見学した和歌山市西庄の久田昌之(ひさだ・まさゆき)さん80歳は、「何度か発掘現場を見に行きましたが、ここは、まだ途中だということなので、是非、また訪れたい」と話していました。
和歌山市文化スポーツ振興財団・埋蔵文化財センターでは、残る範囲を11月いっぱいの予定で発掘することにしていて、井馬好英(いば・よしひで)センター長は、「今後、大型の石組遺構を解体して作られた時期の特定作業なども進めていきたい」と話しました。