紀美野(きみの)町立野上(のかみ)小学校で、きょう(3日)平和学習が行われ、海南市(かいなんし)出身で、女学校時代に太平洋戦争を経験した87歳の女性が戦時中の体験を語りました。
これは、野上小学校が毎年夏休み期間中、5・6年生の児童や保護者を対象に、平和の尊さを学んでもらおうと開いているものです。
ことし(2015年)は講師に海南市出身で紀美野町在住の角谷(かくたに)トシミさん87歳を迎えました。
角谷さんは海南市の県立日方(ひかた)高等女学校に在学中太平洋戦争が勃発し、衣食住に関する物資がたちまち不足して苦労したことや、卒業後に挺身隊(ていしんたい)として勤務した大阪の軍需工場で爆発事故が起きたこと、そして、旧・野上電鉄の踏切のそばでアメリカ軍の攻撃機から機銃掃射を受け、命からがら逃げたことなどを児童らに語りました。
そして角谷さんは「軍需工場ではコウリャンや麦が沢山含まれたまずいご飯と具の無い味噌汁が続き、本当に食べ物が不足していました。いま、何も不自由することなく平和でいられる事は、本当に有り難いとつくづく思います。皆さんも日々感謝しながら勉強やスポーツに励んで下さい」と呼び掛けました。
角谷さんの体験談を聞いた児童らは「空襲が来たらいつでも逃げなくてはならず、食べ物も不足していたのは大変だと思った。好きに食べられない世界は想像できない。戦争をまた始めようと考える人もいるけれど、一人一人が思いを持って活動すれば、平和が保てると思います」などと話していました。