来月(8月)6日、甲子園球場で行われる第97回全国高等学校野球選手権大会の開会式で、今から100年前・1915年の第1回大会に出場した全国10校の野球部員が、当時のデザインを模した復刻ユニホームを着て入場行進を行うことになり、そのうちの1校で、当時、旧制和歌山中学だった和歌山市の県立桐蔭(とういん)高校で、きょう(30日)午前、ユニホームの贈呈式が行われました。
これは、日本高校野球連盟などが、大会創設100周年の記念事業の一環として実施するもので、大会を前に、行進する10校に対し、地方の高野連を通じて100年前の復刻ユニホームを贈呈しています。
夏の甲子園の前身となる第1回は、1915年に全国中等学校野球大会として全国10校が参加して開かれ、和歌山からは旧制和歌山中学が出場し、ベスト4に輝きました。
その後、和中時代を含め桐蔭は夏の甲子園に20回出場し、優勝2回、準優勝3回と「野球王国・和歌山」の創成期をけん引しました。
そしてことし春のセンバツでは21世紀枠で出場し「和歌山の古豪再来」と甲子園の話題になりました。
きょう午前、桐蔭高校の校長室で行われた贈呈式で、県・高野連の志賀秀生(しが・ひでお)会長から、野球部の石井佑典(いしい・ゆうすけ)主将に100年前のデザインの復刻ユニホームが贈呈されました。
ユニホームは上下真っ白な綿の素材で、キャップの前面とシャツの左肩には、濃紺の「W」の刺しゅうが入っています。
早速袖を通した石井主将は、綿素材のゴワゴワとした感触とだぶついた着心地に一瞬戸惑いを見せたものの、伝統の重みも感じた様子で「100年の重みを感じます。選抜出場チームのキャプテンとして責任を持って行進したい」と意気込みを語りました。
また、県・高野連の志賀会長は「まさに全国の皆さんに和歌山の野球のすごさを知ってもらえる絶好の機会だ。この先100年も、200年も野球王国・和歌山であり続けてもらいたい」と喜びを語りました。