田辺市内の有識者らで構成する南方熊楠(みなかた・くまぐす)翁生誕150周年記念事業実行委員会はこのほど、田辺市の真砂充敏(まなご・みつとし)市長を訪問し、粘菌の研究で世界的に有名な南方熊楠を名誉市民にするよう要望しました。
南方熊楠は1867年5月に和歌山市で生まれ、博物学や民俗学などを研究した近代日本の研究者で、特に粘菌の研究では世界的な研究者として知られています。
また、熊楠は37年間田辺市に定住し、田辺市を拠点に研究活動を行いました。
このほど、実行委員会の榎本長治(えのもと・ちょうじ)実行委員長が真砂市長に名誉市民の称号を与える要望書を手渡しました。
要望書を受け取った真砂市長は「名誉市民の称号については今まで指定していなかったのかと思っていただけると思う。来年は生誕150周年なので、市民の皆さんに理解を求めていきたい。問題はタイミングだと思う」と述べ、熊楠を名誉市民にすることに前向きな姿勢を示しました。
市によりますと名誉市民になるためには議会の承認などが必要ということで、これまで合気道創始者の植芝盛平(うえしば・もりへい)氏や元総理大臣の片山哲(かたやま・てつ)氏など8人が名誉市民になっています。