今シーズン一番の冷え込みとなった師走の入りのきょう(1日)、田辺市本宮町の川湯(かわゆ)温泉郷に、冬の風物詩「仙人風呂」がオープンしました。
仙人風呂は、川原を掘れば湯が出ることで知られる川湯温泉の宿泊施設や飲食店でつくる実行委員会が、「冬の目玉になるものを」と1985年から、毎年、12月から3か月間限定で開設していて、仙人気分を味わえ、千人は入れそうなくらい大きいことから、この名がつけられています。
35年目となる今年は、大塔川の一部をせき止め、幅28メートル、奥行き12メートル、深さ60センチの大きな露天風呂となっていて、川底から湧き出す73度の温泉に、川の水を引き入れて40度前後に湯加減を調整しています。
晴れ渡った空のもと、午前10時から行われた開湯式(かいとうしき)では、本宮町請川(うけがわ)の祐川寺(ゆうせんじ)の住職が読経し、関係者が、角樽(つのだる)からお神酒(みき)を湯船に注いで、期間中の安全と繁栄を祈願しました。
そして、近くにある2つの保育園のあわせておよそ50人の園児が、さっそく仙人風呂を楽しみ、オープンを祝って湯船に向かって餅まきが行われると、歓声をあげながら、大はしゃぎで取り合っていました。
開湯式で、仙人風呂実行委員会の小淵誠(こぶち・まこと)委員長は、「今年も良い湯になっています。楽しみに来てくれた人が入れないことのないよう、大雨でも流されにくく、また流されても復旧しやすいように作りました」と挨拶しました。
仙人風呂は、来年(2020年)2月末までの毎日午前6時半から午後10時まで、無料で入浴できます。
また、オープンスペースの河川ということで、入浴の際には、水着や湯浴着(ゆあみぎ)などを着用します。
※泉質はアルカリ性単純温泉