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子どもの貧困対策・全国キャラバン 和市で開催(写真付)

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大きな社会問題となっている子どもの貧困対策について考える全国キャラバンが、このほど(10/26)、和歌山市で開かれ、和歌山県内の貧困家庭の現状や対策が紹介されました。

シンポジウムの様子(和市松江・河西コミュニティセンター)

これは、2013年の子どもの貧困対策法成立後にあしなが育英会から支援を受けた大学生らが中心となり設立した「公益財団法人あすのば」が開いたものです。

先(10)月26日に和歌山市松江の河西コミュニティセンタで開かれたキャラバンでは、はじめに和歌山県こども未来課の課長が県内の小学5年と中学2年の児童生徒1万5千人あまりを対象に昨年(2018年)度実施した子どもの生活実態調査の結果を報告しました。この中では、県内の経済的困難世帯が17・4%で、家庭の経済状況は、子どもの教育環境や生活習慣、社会性や自尊心、健康面にも影響を与えていることが指摘されました。

このあと、行われたパネルディスカッションでは、母子家庭で育った県立高等看護学院1年の西田麻希(にしだ・まき)さん19歳が体験談を話し、母親が病気を患い、知的障害のある姉とともに祖父母の家で生活していたため、祖父母に心配をかけないよう不安な気持ちを隠し、両親と暮らす同級生とは、感覚のずれを感じて何も話せなくなった経験を振り返り、「何でも話せる存在が大事だし、自分の思っていることをうまく伝えられない子どもをサポートする大人がいてほしい」と語りました。

西田さん

また、橋本市子育て世代包括支援センター所長補佐の木下昌美(きのした・まさみ)さんは、センターに寄せられる相談から、小学校の現場で大変なことが起こっているにも関わらず、どこにも相談できてない実態がわかったことを報告し、「学校の先生を支えるスクールソーシャルワーカーなどの存在が大切ですが、すべての学校に配置されているわけではない」と指摘しました。

木下さん

そして、高校でスクールソーシャルワーカーとして働く古谷香(ふるたに・かおり)さんは、「小中学校の間にまったくサポートされずに進学してくる子どもが多く、相談する力をつけられるよう支援している」と話しました。

古谷さん

また、太地町の宇佐川彰男(うさがわ・あきお)教育長は、「町が目指す『かしこくて丈夫でおもいやりのある子』を育てるためには、家庭、学校、地域のほかに行政の教育力が必要だ」と話し、子ども園と小中学校の給食費や教材の無償提供、生まれてから18歳までの医療費を無料にしている太地町の取り組みを紹介しました。

宇佐川さん

キャラバンでは、最後におよそ90人の参加者がグループに分かれて子どもの貧困対策について互いの意見を交わしました。

主催した「公益財団法人・あすのば」の小河光治(おがわ・こうじ)代表理事は、「この5年ほどの間に、貧困問題は社会的に認識されるようになりましたが、貧困状況にある子どもたちが、経済的な問題などで夢に挑戦する機会を奪われている現実は、まだまだあり、それは社会的な損失にもつながります。子どもたちが、自分の夢に向かって笑顔で生きていける社会を作っていくために社会全体でやらなければならない課題は多い」と話していました。


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