江戸時代末期の安政の大地震による津波から村人を救ったとされる故事にちなんだ「稲むらの火祭り」が、おととい夜(10/19)、広川町で開かれ、岩手県から孫を連れて参加した69歳の男性が、町民とともに、火のついたたいまつを持って練り歩きました。
「稲むらの火祭り」は、1854年の安政の南海地震で津波が発生した際、稲わらに火をつけて村人を高台に避難させ、命を救ったとされる広川町出身の偉人、濱口梧陵(はまぐち・ごりょう)の功績を後世に伝えるとともに、防災意識を高めようと、地元の有志でつくる稲むらの火祭り実行委員会が2003年から毎年、主催しているもので、今年で17回目でした。
午後5時から広川町役場前で行われた式典では、広川町立広小学校の5年生が「稲むらの火」を朗読した後、濱口梧陵の末裔でヤマサ醤油会長の濱口道雄(はまぐち・みちお)さんらが、稲むらの火からかがり火をつくり、そのかがり火から、たいまつに火をとった参加者およそ540人が、広川町役場前から広八幡神社までおよそ2キロの道のりを練り歩きました。
2016年から毎年、参加している岩手県北上(きたかみ)市の高橋正美(たかはし・まさみ)さん69歳は、今年初めて3人の孫らとともにそろいのハッピを着て訪れました。
高橋さんは、「岩手県は、8年前に東日本大震災の被害を受けましたが、ここ広川町では、165年前の話が継続されています。東日本大震災の被災地でも、そうあってほしいと願っています」と話していました。
おととい行われた稲むらの火祭りでは、広八幡神社の鳥居前の田んぼに積み上げられた稲わらに火がつけられ、稲むらの火の故事が再現されました。