鳥インフルエンザの発生に備えた和歌山県内では初めてとなる大規模な防疫演習が、きょう(10/8)、橋本市で行われ、実際に発生した場合、作業の応援にあたる県職員が訓練にのぞみました。
これは、実際の資機材を使って訓練し鳥インフルエンザの発生に備えようと、和歌山県が、県内の畜産農家などでつくる公益社団法人・畜産協会わかやまとともに初めて主催したものです。
橋本市北馬場の県立橋本体育館で行われた演習では、県畜産課の担当者が、鳥インフルエンザの発生状況や発生時の防疫対応について説明したあと、橋本市にある県内最大の養鶏場で鳥インフルエンザが発生し、10万羽の殺処分が必要になったという想定で実地演習が行われました。
演習には、県や国の機関などからおよそ150人が参加し、このうち、鳥インフルエンザが発生した際、応援にあたる県職員21人が、防護服を二重に着た上で、マスクとゴーグル、手袋などを着用し、鶏のぬいぐるみを使って炭酸ガスで殺処分する訓練にのぞみました。
訓練に参加した県企画総務課の木瀬信希(せと・のぶき)さんは、「重装備なので、夏場に起きるときついな、という印象を持ちました。実際に動いている鶏を殺処分するとなると、力が必要になるので、しっかり対応したい」と話しました。
このほか、きょうの演習では、養鶏場の隣接地に設置された現地防疫センターに入るバスやトラックを消毒する訓練や、動員された県職員が集合し検診を受ける場所の運営訓練も行われ、参加者が、作業の内容などを見学しました。
県内では、2011年2月に紀の川市貴志川町で鳥インフルエンザが発生し、12万羽を殺処分した経緯があり、県畜産課の筒井視有(つつい・よしとも)さんは、「紀の川市で発生した時に参加した人は、いまでも作業の内容を覚えているので、今回の実地演習で参加者の記憶に残り、実際に鳥インフルエンザが発生した場合には、周りの人をサポートしてもらえると思う。まずは、農家の皆さんに管理基準を守ってもらい、発生させないのが第一ですが、発生してしまった場合には、迅速に対応できるよう、さらに体制作りを進めていきたい」と話しました。
県内では、現在、およそ105万羽の鶏が飼育されています。