和歌山市に本社のある、ニット横編み機大手の島精機製作所はきのう(7/2)、新開発の自動プログラミングソフトと、縫い目なく一着まるごと編み上げるホールガーメントの特長を活かした新たな受注生産システムを発表しました。

発表する島光博社長
新たに開発された「Made(メイド)2(トゥー)Fit(フィット)」は、身体の採寸情報を送信すると、自動プログラミングのソフトが、事前に設定されたベースデータから最も適した衣服のサイズを選び、コンピューター横編み機にデータを送って、裁断や縫製の手間がなく、ムダになる生地もないホールガーメントで製品を仕上げます。
このシステムの顧客は、島精機のコンピーュター横編み機を持つ工場と連携しているアパレルメーカーなどで、一般の買い物客にとっては、店舗へ出向いて採寸する方法以外にも、市販のアプリを使って、スマートフォンなどで全身の写真を撮影するとともに身長などを入力し、体のラインを自動計測して自宅から採寸情報をメーカーに送り注文することもできます。

スマートフォンを使って実演
先(6)月、スペインのバルセロナで開かれた世界最大の繊維機械の国際見本市に出展した際には、参加者から強い関心が寄せられたということです。
きのう和歌山市坂田の島精機製作所の本社ビルで新たなシステムを発表した島光博(しま・みつひろ)社長は、「大量に安く作って売れ残りを処分する、自然環境によくないビジネスモデルを変革しようというのが、いまのアパレル業界の流れ。私達は、この流れを追って新しい繊維機械を提案するだけでなく、世の中で役に立つ、世界のモノ作りの総合的な解決策を提案する企業でありたい」と語りました。
島精機製作所では、今後、販売に向けて各地の見本市に出展するなどしてシステムの性能の高さをアピールすることにしています。